まつり・伝統芸能・信仰 神楽

神楽

神楽(かぐら)ってなあ~に?

神楽は神に仕える人々が神にかわって、人々の無病息災や祝福を祈り、また五穀豊穣を神に感謝する舞のことで、信仰色の強い巫女神楽、神話を演じる出雲系神楽、釜で沸かした湯を振りまきお祓いする湯立の伊勢系神楽、獅子舞の獅子神楽などあり、全国で38件の神楽が国の文化財に指定されています。

豊前神楽は旧豊前国(企救郡、田川郡、京都郡、仲津郡、築城郡、上毛郡、下毛郡、宇佐郡)に伝わる神楽で、福岡県の34団体、大分県の5団体が平成28年に国指定重要無形文化財「豊前神楽」に指定されました。築上町は最も数が多く、下記の7団体が継承し、各地の神社などで奉納しています。

神楽は江戸時代までは神職が行っていましたが、明治時代になると神職の神楽が禁止となったため、築上町(旧築城郡)では、岩戸見神社宮司の熊谷房重らが各村の氏子に伝授し、さらに神楽の名人などが豊前各地に教えて、里神楽として今日まで継承してきました。

豊前神楽の大きな特徴は、鬼姿の御先(ミサキ)が登場する御先神楽(駈仙神楽)の種類が多く、神楽の主要な部分になっていることです。御先神楽は日本神話の「天孫降臨」の一場面で、ミサキ鬼=猿田彦命(サルタヒコノミコト)は、地上に降りてくる天孫(ニニギノミコト)の使いの天鈿女命(アメノウズメノミコト)を先導する役です。しかし舞の途中でミサキ鬼は舞台から飛び出し、会場の子供と戯れたり、幼児を抱いたり、人々の頭を鬼杖で叩いて無病息災を祈ります。また湯立神楽でもミサキ鬼が登場します。豊前神楽でミサキ鬼が厄払いや言祝ぎの役として登場するのは民間信仰のなごりかもしれません。このほか豊前神楽には「天岩戸開き」の日本神話の「岩戸神楽」や、厳粛で奥ゆかしい面を付けない祓いや清めの「式神楽」など多くの演目があります。

豊前神楽の演目など(外部サイト)

赤幡神楽

赤幡神楽は江戸時代に旧築城郡16社家(神職)に伝承され、小倉小笠原藩の氏神八坂神社で日乞い、雨乞いの神楽を奉納していました。

寒田神楽

山霊神社火災の時に火災を鎮めるため呪文をとなえたことから秋祭の鎮火祭で湯立神楽を奉納するようになったと伝えられています。

小原神楽

明治10年頃、伝法寺村岩戸見神社の内尾宮司から伝授されました。現在は地域の小学校の授業でも行われ、後継者育成に取り組んでいます。

岩丸神楽

平安時代の大干ばつの時、葛城神社妙見宮神主が雨乞いをしたところ大雨が降り、その感謝を込めて神楽を舞ったのが始まりといわれます。

伝法寺岩戸神楽

岩戸見神社は宇都宮氏が関東より勧請しました。その後城井谷11ヶ村の氏神と定め、祭礼に神楽が奉納されました。

檪原神楽

昭和29年に鬼の衣装と神楽面が寄贈されたのを契機にみやこ町扇谷神楽講より櫟原の貴船神社氏子に伝えられました。

湊金富神楽

明治19年の「築城郡内神社兼神楽方名簿」には「湊神楽」が記載されていますが、のちに一時途絶えていましたが、赤幡神楽から伝承されました。


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